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category: 感想記
DATE : 2007/11/30 (Fri)
DATE : 2007/11/30 (Fri)
NHK木曜時代劇「風の果て」が最終回を迎える。いろいろ、考えさせられた番組だった。
人は、誰もが死を迎えるように、現役からの引退も迎える。そのかたちはいろいろだ。突然やってくることもあるし、計画的なこともあるだろう。
「風の果て」は、若い人には、なかなか理解に難しい作品だろうが、一定の年齢の者には、実にリアルな、自己の人生を思い返すような錯覚に襲われる作品だった。
それは、最終回のテーマでもあり、この作品の副題でもある「尚、足を知らず」のためなのかどうかは解からないが、生きている限りは、何かを求めるのは、人間のもつ本能にちかいものなのだろう。又左衛門の過去を引きずるような生き方に、妻は理解できない。佐藤浩市のどっしりとした、重厚な演技は、さすがだと感じた。
原作は、藤沢周平だ。いつものことながら、見終わって、深い沈黙を与えてくれる。
時代劇ではあるが、何の違和感もなく、今日に共通するものを感じさせる。何時の時代も、人間が何に悩み、苦しみ、決断し、行動をしてきたのか、自分自身の過去をふり返ってしまう。佐藤浩市に、感情移入して、最終回を見ることになりそうだ。「尚、足を知らず」、悟ることにも、遠い。
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