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DATE : 2007/12/16 (Sun)
人間にとって、病気とは何なのだろうか。苦痛を与えるものであることは間違いない。病気になるまで、考えることもなかったことを、考えるようになる。仕事にも影響がある。続けられない場合もある。自分の周辺にいる人について考えることもなかったのが、考えるようになる。病気は、あるものを失わせるが、同時に何か新しいものを与えてくれることもある。自分が、死ぬことなど考えもしなかった人生を、考えさせてくれる。ひとがた流しの風習は、1日だけ、病気になる日を作ったのかもしれない。どんな生き方も、人生に変わりはないのだから、今、自分にとって、大切なことは何かを問うことの大切さが、ひとがたの人形に書かれた文字なのかもしれない。取り立てて筋書きがあるとも思えないドラマだったが、自分を考える時間にはなった。結構、ずしりとくるドラマだった。
DATE : 2007/12/09 (Sun)
随分多くを考えさせられた作品だった。現代社会に少なくない高齢化社会の内在する問題、認知症、臓器移植、ドナー登録、医療問題、安楽死、広げればもっとあげられるかもしれない。正解や白黒や結論はない問題なのだろう。森鴎外の「高瀬舟」を思い出させてくれた。どの俳優さんも、あまりに真に迫った演技に、ただ、黙って見続けてしまった。
空白の2日間に隠された秘密が、骨髄移植だったとは、想像も出来なかった。結びつきそうもない問題の結びつきが、この作品の秀逸さを示しているでしょう。
テレビドラマでも、ここまでの作品が出来るのですね。それにしても、ここまで仕上げられた皆さんに敬意を表します。もちろん(特A)評価です。これからも期待しています。優れた作品を沢山つくってください。
DATE : 2007/11/30 (Fri)
NHK木曜時代劇「風の果て」が最終回を迎える。いろいろ、考えさせられた番組だった。
人は、誰もが死を迎えるように、現役からの引退も迎える。そのかたちはいろいろだ。突然やってくることもあるし、計画的なこともあるだろう。
「風の果て」は、若い人には、なかなか理解に難しい作品だろうが、一定の年齢の者には、実にリアルな、自己の人生を思い返すような錯覚に襲われる作品だった。
それは、最終回のテーマでもあり、この作品の副題でもある「尚、足を知らず」のためなのかどうかは解からないが、生きている限りは、何かを求めるのは、人間のもつ本能にちかいものなのだろう。又左衛門の過去を引きずるような生き方に、妻は理解できない。佐藤浩市のどっしりとした、重厚な演技は、さすがだと感じた。
原作は、藤沢周平だ。いつものことながら、見終わって、深い沈黙を与えてくれる。
時代劇ではあるが、何の違和感もなく、今日に共通するものを感じさせる。何時の時代も、人間が何に悩み、苦しみ、決断し、行動をしてきたのか、自分自身の過去をふり返ってしまう。佐藤浩市に、感情移入して、最終回を見ることになりそうだ。「尚、足を知らず」、悟ることにも、遠い。